マーガリンの危険性について
美容 マーガリン, 危険性
バターなどの動物性の油脂は、コレステロール値を上げてしまう為、心筋梗塞や動脈硬化のリスクを高めます。マーガリンは植物性だから、バターなどの動物性の油脂よりも健康に良いと考えている方は多いと思います。そして加工食品には使い易いですし、バターよりも安価で入手する事が出来る為、重宝されてきたマーガリン。
しかし近年、そのマーガリンの危険性が問題視されています。マーガリンの何が危険なのか、まとめていきたいと思います。
マーガリンの製造方法
牛乳だけから製造されているバターに対して、マーガリンの主原料は植物性・動物性の油脂です。マーガリンは植物性油脂を「水素添加」という化学処理により、常温で個体を維持できるようにした食品です。水素添加とは、不飽和脂肪酸(1つ以上の不飽和の炭素結合をもつ脂肪酸)の水素が足りない所に、強引に水素を結びつける方法です。このようにして、「トランス脂肪酸」という物質が出来ます。「トランス脂肪酸」は、安定した構造を持っている物質なので、常温でも固体を維持し、また酸化もしにくく、保存性が高い物質になります。しかし自然界には、もともと存在していない物質なのです。体はそれをどう処理するかわからない為、その処理がうまく行かずに、毒物として作用したり、細胞膜や他の場所に蓄積されるという事が起きてしまいます。その結果、さまざまな障害が出てしまうようです。
またマーガリンは120度を超えて加熱すると、有害なアクリルアミドという物質が増加するので、加熱調理は避けた方が良いと思われます。
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トランス脂肪酸について

トランス脂肪酸を一定量を摂取する事により、悪玉コレステロールが増加します。それにより現代病の一つである、心臓疾患のリスクを高めると言われています。8年を費やし、85000人の看護婦を調べたハーバード大学の調査では、トランス脂肪酸の摂取量の多い人ほど、心臓病になるケースが多と判明しました。妊娠中や授乳期の摂取は、赤ちゃんの成長に大きな影響を及ぼし、赤ちゃんの成長を妨げるという事もわかってきました。またアトピー等のアレルギー症へ悪影響を及ぼすとも言われています。最新の研究によると、人を怒りっぽく、攻撃的にさせるという事が判明したそうです。
認知症は、脳への血流の低下で起こると言われています。トランス脂肪酸を摂取すると動脈硬化が進み、その結果脳への血流が減少して脳細胞に血液が行かなくなり、認知症になるようです。
トランス脂肪酸はマーガリンだけでなく、加工されたチーズやパン、スナック菓子やファーストフード等の食品にも含まれます。
マーガリンの規制について
日本では、トランス脂肪酸量の表示が義務化されていませんし、特に規制はありませんが、諸外国ではすでに規制がなされている国もあります。米国、カナダ、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ、ブラジル、韓国、香港、台湾、中国では、食品中に含まれるトランス脂肪酸の量の表示を義務付けられたり、食品中に含まれる量の規制が行われています。ヨーロッパでは販売禁止、製造禁止している国もあります。オランダ、デンマークでは毒物とみなされ、販売が禁止されています。このようにトランス脂肪酸の規制がなされているのは、人の健康に有害であることが明らかになってきているからである。WHO(世界保健機関)も2003年に、心臓血管系の健康増進の為に、トランス脂肪酸の摂取を極めて低く抑えるべきであると勧告しています。水素添加技術による最初の商品が発売されたのは1911年で、それが健康面に深刻なリスクを与える事が判明するまでに、80年という歳月を要しました。そして今も、日本では毎日のようにマーガリンは使用されています。
食品安全委員会は、日本人は普通の食生活をしていれば、トランス脂肪酸による健康への影響は小さい為、政府による規制措置は必要がないと判断し、民間の食品事業者任せにしている状況です。しかし現代の日本人の食生活も変化をしており、外食産業、コンビニや冷凍加工食品への依存度が高まってきています。そして当然、トランス脂肪酸にさらされる危険度は高くなりつつあるといえます。
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日本においても、マーガリンだけに限らず、食品事業者に対するトランス脂肪酸の表示の義務化と、使用規制を事業者任せにせず、法的な規制を進めていくことが、当然の課題といえるのではないでしょうか。

